2023.12.2

仕事を少ししてから、全国のいくつもの書店さんにZINEを置いてもらえないか、打診のメールをした。本文には仕様と概要、希望の仕入条件を書き、添付する形で本文PDFと書影を送った。すぐに近くの本屋さんから返事が来て、そのまま納品に行くことにした。手持ちで本を届けられることはとてもうれしいことだ。店主さんとも話せるし、時々だけどその場で精算してもらえることがあって、懐があったまる感じがする。やはり現金はいい。納品するたびに本を買ってしまうので、お金はそんなに儲かっている感じはしないのだけど、でもやっぱり本屋は大好きな場所で、そこにお金を落とせるならいくら買っても気分がいい。お金は落としたいところに落とすべき。ついついコンビニとかチェーン店で食事をしてしまうのだけど、でも大きな資本にお金を落としたくはないよなという感じがする。応援するなら小さいところである。

 

本を届け、しばし歓談。西荻にたこ焼き屋さんができたんです、しかも2軒もあるんですよ、と突然教えてもらう。なんでたこ焼きの話をするんだろう、と思っていたら、私のZINEのプロフィールに「たこ焼きとモンブランが好き」と書いていたことを気にしてくれていた模様。それに気づいてから思わず笑ってしまった。いい人だ。本を一冊買い、お礼を言ってお店を後にした。

 

電車に乗って吉祥寺を目指す。19時から友だちのAさんと回転寿司を食べる約束をしていた。ちょっと早く着いたので、駅のホームで雑誌「VACANCE」の3号にある曽我部恵一さんのインタビューを再読する。曽我部さんが最近リリースしたラップのアルバムがあって、それがすごくよかった。3曲目に「幽霊」という曲があって、それがVACANCEのテーマ「おばけ・リミックス」とリンクしていることに気が付き、改めて読むことにしたのだった。割ととりとめのないインタビューだったけれど、芯を突いた発言が各所に光る。特に、映画館にいたおじいさんの話が引っかかっている。「誰からも存在を認知されず、人に迷惑がかからないように生きようとしている」人について。曲のフックでは繰り返しこう語られる。「蝿がブンと飛んでそんで オレは生きていても死んで いつか化けて出てやるって 世間様にそう伝えといて」

 

Aさんと合流し、回転寿司を食べる。Aさんは「魚べえ」がいたく好きらしく、私は行ったことがなかったので今回が初めて。魚べえは回転寿司なのだが、全て注文制。だから真ん中にレーンが存在しない。熱湯が出る蛇口も席になくて新鮮だった。サーモンから始めて、アジ、軍艦、ほたて、えんがわ、と次々に食べていく。あおさ汁は時々しか飲まないから、いつも新鮮に感じる。最後にデザートを食べたが、それでも10皿くらいしか食べれなかった。気づいたら3時間も回転寿司でしゃべっていてびっくりした。

店を出てからしばらく歩いたり、立ったまんま喋ったりした。途中、マンホールから湯気が出ていて、近づいて確かめたら少しあたたかくて笑ってしまった。とにかく寒いし、夜も更けてきたので23時前に解散した。Aさんは明日縁切で有名な神社に行くという。がんばってくださいね、と伝えた。