2023.9.8

朝から雨が強く降っていた。台風が近づいていることは知っていたし、それで今日は強い雨が降るであろうことも知っていた。でもやはり強い雨はそれだけですごく存在感があるというか、「あー、強い雨だなあ」と思わせる何かがある。例えば、大きい滝を見たときも「あー、大きい滝だなあ」と思う。

夕方にユーロスペースで『アル中女の肖像』という映画を観る予定があったが、それまでは家から出る必要がなかったので読んだり書いたり考えたりしていた。家事もした。家にいることが増えてから、家のなかは自然と清潔さが保たれるようになった。

と、思っていたら、業務委託先の私以外のもう一人のデザイナーから「(本の)第2章を組んでくれませんか?」と連絡が来た。「今日中に4章まで組んで出すつもりです!」とのこと。もちろんやるけれども予定があるからそれまでには終わらないかも、とだけ伝え取り組んでみる。本音を言えば他の人の制作物に手を入れるのは気が進まない。でも、本人からの頼みだし、まあきっとページを組んでもそのままは出さないだろうとも思ったので安請け合いしたのだった。それにしても、一日早く言ってくれたらそこまで急ぐ必要もなかったのに。

こういう仕事はあまり楽しくはない。それでも、〆切が迫っている中で人に頼まれると、ついついアドレナリンが出てテンションが上がってくる。設定を理解してぐいぐいと組んでいく。作業なので音楽を聴こうと思った。最近は Thundercat をよく聴く。「Dragonball Durag」が好き。次に、Louis Cole を聞き、そこから Tom Misch に流れる。音楽に対して「本当にすばらしいものだ」と思ったのは躁鬱になってからだった。鬱のときに音楽を聴くと明らかにメンタルに対して良い作用がある。そういうとき、大抵は音が気持ちが良いと感じられる音楽を聴く。

15時半くらいには出ないといけなかったので、できた部分までを送った。体感的に全体の7割くらいはできたので、まずまず。外を見ると雨はほとんど上がっていた。

映画は思っていたのとは違ったが、結構良かった。特に会社みたいなところで、上司と思しき男性から「真面目に働け」と詰められるシーンがよかった。声をすべて無視して、酒を飲み続け、最後にはきれいに重ねてあった書類の束をすべて撒き散らしてからグラスを落とし割って外に出ていく。痛快なシーンだった。

家に帰ってからは夕飯を食べ、新潟に住む友人に電話をした。来月あたりそっちに行くよ、と伝えると30日前なら新幹線が安く買えるよと教えてもらう。10月は新潟に行っておいしいものでも食べたい。