大きな蟻(6/13)

昼ごろに起床。映画を観はじめる。友だちのいわはらがおすすめしていた『ドニー・ダーコ』という作品。ジャケが奇妙なのでこれ大丈夫か...と思いながらも見てみると、なかなかおもしろい。主人公のキャラが立っていて、変なやつだが魅力的だった。

終盤には意外な展開がありつつ、最後に伏線を回収していく感じもよかった。主人公がやっぱり良いやつだったので安心した。ちょっと『バタフライ・エフェクト』ぽい。

続編もあるらしいが、フィルマークスで酷評されていたので観ないだろうな。

 

15時くらいに恋人と散歩。恋人がどこかに歩こう、と切り出すときは大抵なにかを話したいときだ。あまり動きたくなかったが、気合をいれて外に出る。歩きながら話すと、だんだん気持ちが上がってくるのがいい。

川沿いで、大きな鯉が草にひっかかっていたり、鴨の子どもが雨のなか一人で佇んでいたりするのを見つけた。公園では生きている玉虫を初めて見た。「死んだ玉虫をタンスに入れておくと服が増えるって昔から言うんだよ」と母から聞いたのを思い出した。一駅先まで歩き、タピオカを買った。タピオカ屋はガラガラに空いていた。あまり待たずに受け取ったタピオカは芯が残っていて、そんなにおいしくなかった。「空いたタピオカ屋のタピオカは固い」ということわざが生まれた。

帰りに川をチェックすると、鴨の子どものところに親の姿が現れていた。うれしいものを見ることができた。「タピオカ固くとも親ガモは帰る」

 

夜は恒例の映画鑑賞会、と思っていたらキャンセルになった。来週にまたやるそう。時間ができたので家に買いためていた『すーちゃんの恋』『服福人々①』を読む。

益田ミリさんのすーちゃんシリーズはシャムキャッツの夏目くんがタナソーのポッドキャストで勧めていて、半年前くらいから集めている。どれも本当によくって、人生ベスト漫画に入れたいくらい。何度も読み返すだろうな。今回も思わず泣いてしまった。

「服福人々」は友だちの河野さんが「飯村さんに似てるからLINEしちゃった」と教えてくれた漫画。普段ならあまり買わないタイプだけど、思ったより全然よかった。服のことだけじゃなくて、キャラクターの関係性を描いているのに好感が持てる。多胡さんというキャラがなんかいいです。

 

その後『ペパーミント・キャンディ』を観る。大好きなイ・チャンドン監督。噂に違わぬ傑作だった。多くは記さないが、人生の理不尽さを見事に描いていると感じた。たった一つの事件がきっかけで人生が悪い方向へ転じていってしまう様が酷く、観ているのがきつい映画でもあった。映画内の歌の歌詞や、ノートに記された言葉も、ボディブローのようにじわじわと効いてきて映画に深みを与えているように思う。また、最後に主人公のすごく印象的なシーンがあってそれが頭から離れない。

シークレット・サンシャイン』でもそうだが、記憶に残るシーンを作るのがすごくうまいんだと思う。ちなみに一番好きなのは『オアシス』です(延々と泣き続けた)。

 

映画館で観たいが、それは人生のどこかで。『オアシス』ももう一回みたいな...。