2023.10.1

夕方から映画を観にイメージフォーラムへ行った。友人はそのあと吉祥寺でやることがあると言っていたので、私も吉祥寺を散策してから帰ろうと思った。井の頭線を下りてからエスカレータを降りたあたりで私が「「百年」で展示を見てから帰ろうかな」と言うと友人は「あ、私一度家に帰って紙を取ってこないとなんだ」と言う。私は一緒に吉祥寺で降りると思っていて、向こうは一緒に西荻から帰ると思っていた。でも、お互いの意図が絶妙に食い違ったので、じゃあいますぐ本当に解散か?と思う間もなく別れてしまった。お互いに「じゃあねー」と言って解散した。

 

その食い違いの起きた瞬間、私は自分の予定を変えて一緒に帰ってしまうか、それとも最初に決めた通り吉祥寺の本屋に行くかどうか悩んだ。が、私は私の決めた予定を一瞬で変えてしまうことが難しかった。この話の力点は、その思いもしなかった別れ方の宙ぶらりんさと、自分の決めたことを簡単に変えることができないという一瞬の逡巡の感触、そのおもしろさにあった。これをどういう風に残したり人に伝えたりできるか分からないが、しばらくはその感触を楽しみながら歩いた。本屋「百年」で見たかった展示はやっていなかった。