2023.9.23

次の日の結婚式のために、早起きしてバスで名古屋へ移動した。6時前に家を出て、少し時間があったので富士そばで朝ごはんを食べた。小さいそば、小さいカレー、ほうれん草のおひたしと半熟卵で450円の朝定食。外で食べる朝ごはんってたまらない。

 

新宿駅を7時に出るバスだった。バスタのなかにあるミニストップで水やメントスなどを持ったままレジの列に並んでいると目の前のセルフレジで会計している女の人が突然倒れた。私はびっくりしながら救急車呼んだほうがいいかなと思い、しかしとりあえずはと思って店員さんを呼んだ。しかしなかなか来てくれない。あとは呼吸や意識の確認だなと思って肩をトントンしながら「大丈夫ですか?」と訊くとうんうんと頷いている。それから店員が来てくれて「貧血ですか?」「救急車呼びますか?」と訊くと、前には頷き、後者には首を横に振っていた。最後に「列ができちゃっているのでここを動けますか?」と訊くと動けないとのことで、最後まで見てないがきっと列を迂回させつつレジは回しつづけたんだろうと思った。本当はきっちり誰かが看護してあげるべきなんだろうけれど、こういう場合のベストってなんなんだろうと悩んでしまう。私は男性で、異性の傷病者を怖がらせずにできる範囲ってどこまでなんだろう、と毎回分からなくなる。

 

バスは5時間半載っている予定が事故渋滞で1時間強遅れ、結局到着は13時半くらいになった。その間ダウンロードしておいた青山真治の『EUREKA』を観ていたがすぐに眠くなって寝るを繰り返していた。結局のところ観れたのは1時間にも満たなかった。

 

豊田で友人と合流して豊田市美術館へ。「吹けば風」という展示をやっていた。会場ではちょうど関川航平さんがパフォーマンスをしていて、23.4度に傾いた地面の上で立っったり蠢いたり落ちてきたりと存在しているのを見ることができた。英題の「A LONG SUMMER」で気がついたが、23.4度とは地球の地軸の傾きそのものであり、それによって夏至冬至が生まれる。つまり夏の長さが生まれるということだ。となると関川さんが立っているのは地球がまっすぐ自転していた場合の正しい地面、地平線ということになる。関川さんが存在していた世界では夏の長さも冬の短さも存在せず、ただ毎日同じ時間だけ太陽が地表に現れることになる。しかしその単調さと、視覚的にダイナミックな地面の傾き、そして関川さんの身体の震えが絶妙で、いつまでも観ていたくなるスリリングさを生んでいた。