大きな蟻(8/17)

世田谷文学館安西水丸の絵を見に行った。5年ほど前に知り、それ以来好きで機会があれば見るようにしている。かなり充実の内容で、広くない会場に所狭しと作品が並べられていた。文学館と銘打っているだけあり、嵐山幸三郎や村上春樹など、作家との関連で構成されている部分があるのも意義深いと思った。

大学4年くらい、まだ名古屋に住んでいた時に清須市はるひ美術館へ安西水丸の展示を見に行ったことを思い出した。名古屋市の北に隣接した市で、なぜか自転車で行ったから時間がギリギリ、急いで回ることになってしまった。美術館はこじんまりとしつつもとても雰囲気がよく、また来てみたいなぁと思ったのだった。割と田舎で田んぼもあったような気がするけど、本当にそうだっただろうか。また2時間かけて嫌々自転車をこいで帰った。

今回もマグネットを買ってしまったから、清須で買ったものと並ぶことになった。今はまだはっきりと分かるが、歳を取ったらどちらをいつ買ったのか分からなくなるのだろう。記憶がないという経験が増えることを想像すると、歳を取るのは嫌なもんだと思う。

忘れないために書いておくのだしたら、忘れるという現象が起こらなければ人は日記をつけたり写真をとったりしなくなるのかもしれない。特に人に見せないようなものは。忘れることから始まることもある。


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