大きな蟻(8/16)

コインランドリーにいる。衣類を乾燥させるために。乾燥した衣類のありがたみは雨が降り続いてからでないと中々分からない。椅子に座って『ライティングの哲学』を読む。
途中で客が一人入ってきて、自分の洗濯物を乾燥機に入れてから出て行った。こういうとき店で待つ人と一度帰る人がいる。私は今日は店で乾燥を待っている。缶コーヒーを買った。
少しして洗濯物ができあがる。あたたかく、ふんわりとしている。じめっとした洗濯物を乾燥させるというのは、世界で最も豊かな100円の使い方の一つだと思った。いや、そうでもないか。世界は広いし、100円がものすごい価値を持つ国もあるかもしれない。定食とか食べられるなら、それはそっちのほうがいい。と思う。眠い。

洗濯物を持って家に戻りながら、シフォンケーキが食べたいかもしれないなと思った。