2023.9.16

深夜にふと動きたくなって、自転車に飛び乗った。家から北へ向かって走り、都道4号へ出、ひたすら西に。見たことのない場所が見たかった。土曜の夜は車道も空いている。ぐんぐんとスピードを上げて、ロードバイクで道路をかけていく。時々行くドン・キホーテを通り過ぎる。ここから先には行ったことがない。すべてを追い抜かす、と思いながらペダルを漕いでいく。足が疲れてきて、呼吸も荒くなる。それでも漕ぐ。

気づいたら西東京市に入っていて、そろそろどこかめぼしいところに落ち着いて、それから折り返そうと思った。いまは深夜1:30。マップを見ると田無の駅があったので行ってみることにした。初めて行った田無駅は予想の10倍は大きくて、LIVINがあった。懐かしい。私の地元にも昔はLIVINがあって、そこの一階にハーゲンダッツの直営店があった。31みたいな形式のハーゲンダッツ。しかしお店はどこも閉まっていて、開いてるのはコンビニかオリジン弁当くらいだった。

そういえば田無駅に来る途中、団地のような場所に差し掛かったとき、たまたま猫がいるのに気がついた。猫は優しい生き物だ。私は遠くから見ていようと思ったけれど、もしかしたら触らせてくれるかもしれないと思って近づいた。そうすると向こうからも寄ってきてくれて、ニューニューと小さい声で鳴いた。私は手を鼻に近づけてから、OKだと思って猫に触る。小さめで中肉中背、毛並みのよい猫だった。青い首輪をしていた。私はしばらく触っていて、それから、じゃあね、と言って猫にさよならをしたのだった。私は身勝手な存在だ。本当なら猫がもういいと言うまで触っているべきだったと思う。それでも猫は何もしゃべらなかった。本当に優しい生き物。