大きな蟻(5/2)

ふと思い立って壁逆立ちをした。読書も、勉強も飽きたしどこかに行きたい。

実際にやってみるとそれは思ったよりも気分の転換になることに気づく。リフレッシュだ。高校生ぶりに行った壁逆立ちは、最初ぜんぜんできなくって、「なんでできないのだ...!」と人生はじめての体力の衰えを認識して震えた。

数回練習したらできたので今日はセーフ。空は青い、僕はまだ若い、と言い聞かせる。

逆さに立っていると、どこを見ればいいのかわからなくなる。恋人のほうを見ようと思っても、どこにいるのかは分かっているのにどう顔を向けたらいいのか分からない。

恋愛みたいだな、と思った。