大きな蟻(2/28)

今日は金曜日だった。
最近朝起きるときに、私はどんどん起き上がれなくなっているような気がする。会社に行かなきゃという気持ちはあるけれど、うまく力が入らない。これは上体を起こすという意味での力だけじゃなく、「ふんっ」という気持ち的な頑張りの意味でもある。働き始めてからときどき、脱力感に襲われて動きづらい時がある。それが来てるのかもしれない。

会社では忙しなく働く。落ち着く時間もない。ずっと追われ続けている。追われていると頭を使わなくて楽だなぁと思う。同時に考えれる範囲がどんどん狭くなっていく。阿呆になってるのかもしれない。だとしたらとても滑稽な話だ。

仕事は終わらないけれど、20時くらいに帰らされた。建物が閉まるのだ。帰りたいけれど、帰るのも億劫に思える。体が疲れているし、あと予定調和的に家まで過ごす数十分が苦痛だ。同じことを繰り返すのは嫌い。仕方がないので電車に乗る。ああ、全てが面倒くさい。
家に帰ると、恋人がご飯を作っておいといてくれた。ありがたいと思う。あっためて食べる。本を読もうとするも、疲れていてうまく読めない。こういう時は楽に読めるものがいい。漫画を買って帰っていた。『ブルージャイアント』の新刊と『チェーンソーマン』の一巻。おもしれーと思う。少し回復した。そのまま本を読もうとするもやはりうまく行かなく、寝てしまう。仕事が負担になっていて、本を読むこともできない。楽なことしかしたくない。例えば、頭や集中力を使わないこと。世の中の人たちがスマホでゲームばかりやっている理由がよく分かる。世間は疲れ切っている。私も疲れた。何もしたくない。本も読みたくないし、人と話したくない。でも何もしないのは気に触る。

風呂に入ってから皿を洗った。PUNPEEのラジオを聴く。ラジオは聴ける。あと数回で終わってしまうらしい。Nujabesに関することを話している、スクランブル交差点での十回忌のことなど。もういない人の音が流れている。そんなものいくらでもある。けど、今日はその不思議さを確かめることができた。
土日が早く終われと思っている。平日は何も考えなくていいから楽だ。仕事のことだけ考えていればいい。仕事は暇つぶしと存在理由と承認を与えてくれる。気をつけないとどんどん阿呆に、鈍感になっていってしまう。私は何になりたいのか? わからないけど与えられた場所に長居は禁物だ。自分が作った場所ならいつまででもいたらいい。寝る前に恋人のツイッターを見に行った。ブロックされている。もう何回も経験している。ひそやかな失望と悲しみが広がるけれど、そのことはだれにも言わない。そもそも調べたこと自体恋人には言わない。