エッセイ

ぼくとノミとジョン

覚えている限りで、僕がノミを初めて見たのは小学生の時だったと思う。 当時ちょうど父方の祖父母が僕の住んでいた家で一緒に住むようになった時だった。 それで祖父母が田舎で飼っていた犬を連れてきたのだ。 名前は「ジョン」と言って柴犬に似た雑種のオス…

僕の見た3月11日

3月12日になってしまったけれど、あえて書こうと思う。僕が中学3年生の3月11日、6時間目の英会話の授業中だったと思う。半地下になっている教室、玄関の目の前の教室でALTの授業を受けていた。始めは、みんなただの地震だと思っていた。震度3くらいで自分に…

チャーリーとチョコレート工場のリスと僕

映画「チャーリーとチョコレート工場」を見たことはある?僕は映画は見た記憶がないのだけれど、本なら読んだことがある。原作は「チョコレート工場の秘密」という短めの小説だ。僕の母はクリスマス・プレゼントには決まって本を贈ってくれた。当時はロック…

押し殺していた「理解されたい」

昔から、図工の成績が悪かったのを覚えている。 5なんて取れたことなくて、良くて3とか。だから、苦手意識がついた。僕は図工のセンスもないし、まったく評価されないんだ。 そうやって、何か物事に苦手意識を持ってしまって、人から評価されることを恐れる…

深く穴を掘ることの困難さ

深く穴を掘ることの困難さ 穴を掘ったことはあるだろうか。 僕は、ある。それは小学六年生のとき。 友達と秘密基地を作っていた僕たちは、突然、穴を掘ろうぜということになった。 だからスコップとか持ってきて頑張って掘った。 でも、穴って全然深くならな…

自転車

自転車 僕と自転車の歴史について記そう。 最初に自転車に乗ったのは、母の自転車のチャイルドシートだった。 プリンアラモードと一緒に自転車ごと横転したのは未だに覚えているんだから恐ろしい。 自転車に乗れるようになったのは、確か5歳か6歳くらいのと…

石を集めた

石を集めた 子供の頃、石を集めていた。 別に特に珍しい石じゃないのだけれど、僕にとってそれらはとても大切できらきらしてみえていた。 近所で拾った大きな石を拾っては割り、まだ見ぬ大発見をその内に求めた。 一見無骨な石でも内側は意外ときらきらして…

そうぞうとちしき

そうぞうとちしき 知識はなんで大事なのかなと思ったんだけど、それは想像しなくていいからだと、本を読んでるときに気づいた 全部覚えられればいいのになあ 全部考えられればいいのになあ 僕は不器用だから中途半端に覚えて中途半端に考える。 まったくこま…