読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

じょんするめ

いろんな記事を気まぐれに書きます。イイムラヒロキが書いてます。Twitter:https://mobile.twitter.com/basket_ittsu

ひげのおじいさん童話

昔々、あるところに、2人の年老いた農夫がいました。1人はひげがふさふさと生えた、いかにも優しそうなおじいさんといった風貌で、他方は頭が禿げ上がり、ざらざらとしたひげが生えた男でした。

2人は毎日毎日、畑を耕していた。
春にはふきのとうを取り、夏になればキュウリを育て、秋には稲を収穫し、蓄えたそれらを食べることで冬をしのいだ。

禿げたじいさんが言います。
「やあやあ、隣のひげのお爺さんや。お宅のキュウリはどうかえ?うちのはよく育っておるけれども」

「うちのも十分大きくなってくれているよ。毎日ちゃんと育てている甲斐があるのう。」

「いやいや、そんなんじゃあ、ダメだ。まだまだ小ちゃいじゃあないか。うちのは俺の考えた育て方を使っているから、成長も早いし、うまいのができるぞ。お前さんにも教えてやるから早く真似しなさいな。ほら、ほら。」

「わしはのう、そんなに大きくなってもらわなくてもええんじゃ。それにゆっくり育っていくのをみるのも楽しいしのう。今まで通りわしのやり方でやるからええんじゃ」

禿げたおじいさんは、それが気に入りません。自分のやり方が1番に決まっているからです。

それからというもの、禿げたおじいさんはひげのおじいさんに毎日毎日、自分のやり方を進めます。それだけでも飽き足らず、ひげのおじいさんの悪口まで言いふらし始めました。
「ひげのじじいは強情で、怠惰でダメだ」

さらに、ことあるごとにつっかかって、全てを否定します。
「お前の服装はださい」「ひげじいの言ってることは意味わからない」「くさい」

ひげのおじいさんは、いくら酷いことをされても、やり返しません。それが何も生まないと分かっているからです。

そうはいってもひげのおじいさん、さすがに疲れてしまったのか、神様にお願いします。
「ああ、ハゲじいが毎日突っかかってきて、私はもう限界です。どうか、私のことを放っておいてくれるようにしてくださいませんか」

それが叶ったのかは分かりませんが、その日を境にピタッと嫌がらせは止みました。
ハゲじいの家の、出て行ってしまった奥さんが帰ってきたのです。

幸せになったハゲじいは、すっかりひげのおじいさんにちょっかいを出すのをやめて、ひげのおじいさんも楽になりみんな幸せになりましたとさ。

めでたしめでたし。