じょんするめ

いろんな記事を気まぐれに書きます。イイムラヒロキより。

あと一歩の2時過ぎ

髪が伸び過ぎたな。

そう思って美容院に行こうと決めた。

昔から美容院は苦手だった。
小学生だったとき、他の男子は床屋に行くのに僕だけ美容院に行っていたから。そしてその美容室は友達の通る通学路にあったからだ。


そのせいで今でも美容院に行くのには気合いを入れる必要がある。だから髪が伸び過ぎてから仕方なしに行くことが習慣になった。

なんだかんだ言って、髪を切り終えるととてもいい気持ちになるのだけれど。

今回もそうだった。
幾分か軽くなった頭と、普段よりいいにおいのする髪の毛に、僕の心はすっきりしていた。
女の美容師さんに着ていたダッフルコートを褒められたのもよかったのかもしれない。

外に出ると雨が上がって晴れ間が顔をのぞかせていて、僕の心にも日が射したようだった。
つい口笛でも吹きたくなる。

気分を良くした僕は、TSUTAYAに寄る。
買うつもりのなかったメンズノンノを買ってしまったし、さらにどうすべきか迷っていたブルータスも買ってしまった。特集がよかったのだ。
ダメ押しにコミック・重版出来の4巻を買い、あげく、星野源の書いたエッセイまで手にとってしまうという四重殺。
野球だったら一回が終わってお釣りが来るくらいだ。


でも僕の心の中は満ち満ちていた。素晴らしく気分がいい。晴れているし、ここ数日の中ではあたたかい気候で、シャツにダッフルコートで事足りていたのだ。

せっかく髪をセットしてもらったし、ぼさぼさを隠すために被っていたキャップはポッケにしまい、乗ってきたピストバイクは右手で支えて、歩いて帰ることにした。


緩い風が吹き、やっぱりなんだかいい気分だ。
時計を見ると、2時12分だった。お腹が空いていた。なんか買って帰りたかったが、マクドナルドは少し違うなと思い、パン屋があればいい、と思った。

そのとき、僕はパン屋の冷えたところに入っているサンドウィッチが食べたかった。サンドウィッチを左手に、カフェオレを右手に持ちたかった。

だが。

僕の家までの帰り道にパン屋はなかった。



悲しくなってお家に帰って、何かをゆでて食べたらしいのだが、あまり覚えていない。