トイプードルもフンをする

 

僕は、大学の卒業研究の発表が3/9に控えている。進捗は悪い。同期の中でぶっちぎりで悪い。1月までサボって別のことに熱中していたからだ。天使と悪魔で言えば天使、つまりは清らかな方の自分には悪いことをしたと思っている。すみませんでした。

年の瀬くらいからようやく焦り出し、研究に自分なりには一生懸命取り組んできた。そのおかげでなんとか発表できることはありそうだ、というところまできていた。

 

 

そんな3/5。僕はものすごく後悔をする出来事があった。

ゲームにはまってしまったのだ。普段ならそんなことはない。ある程度のところで切り上げる。しかし今回は相手が悪かった。始めたのは「mother 2」というゲームだったのだ。誰もが耳にしたことがあるだろう。名作としてよく紹介されている。あの糸井重里がプロデュースしていた。ほぼ日手帳の。

(ちなみに糸井重里と僕は誕生日が一緒だ)

 

そして3/5の昼頃から3/6の朝9時まで、ずっとゲームをしていた。

トイレと夕飯の時間以外ずっと。

発表の直前だというのに。

 

 

これはダメである。ダメ男だ。

世界が100人の村だったら100人が「ダメだ」というだろう。

朝9時、エンディングにひとしきり感動した後、やり遂げた虚無感とともに「こりゃダメだ」と思った。これはダメである。

 

オールナイトでやってたので、そのまま4時間ほど眠った後、尽きない後悔とともに、お昼を食べに行った。

遅めのランチをする余裕はあるのかよ、そう思ったあなた。

腹が減っては戦はできぬと言うじゃないですか。ご飯は食べなくちゃいけない。

 

 

やっちまったな〜、そう思いながら覚王山の「玉屋」で唐揚げ定食を食べた。

「ご飯のサイズは?」と聞かれたので「並で!」と答えたのだが、届いたのは超重量級だった。どんぶりに山盛りのご飯。思わずシコを踏みそうになった。

 

 

大量のご飯と格闘し終わった後には僕の後悔はゲームから米の量に変わっていた。なんであんなに多いんだよ...次回からはいきなりステーキ!みたいに頼もうかな。「200グラムで!」って感じで。

 

 

 

その帰り道、トイプードルがうんこしているのを見た。

当たり前だけど、あんなにキュートなトイプードルもうんこをするのだ。僕はその光景を今の自分に重ね合わせた。

 

いつも割と一生懸命で、キュートなイイムラだって、時には屁もするし、サボりもする。徹夜でゲームもするのだ。トイプードルだってそうなのだから、僕がそうしたって構わないだろう。

 

 

そう思うと気持ちが明るくなって、フンをするトイプードルに微笑んだ。

 

 

「トイプードルもフンをする」そう紙に書いて家のトイレに貼った。

屋上〜中学の階段まで(escape sequence)

 

屋上が好きという話は前に書いた。

iimuramura.hatenablog.com

 

なんと、最近、新しく屋上を見つけたので行くようになった。

それは僕の通っている大学の屋上だ。灯台下暗しというやつで今まで一度も気づかなかった。僕の研究室がある建物の外階段を上がり、7階から出れる。

簡単な柵を一つ超えなくちゃいけないのが大変だけれど、60センチくらいなので女の子でもなんとかなるだろう。

 

柵を越えた先は建物の空調機器が集まっている広い場所になっている。室外機のものすごく大きいのがたくさん並んでいるイメージ。しかしそのエリアにいても外は見えない。一番外側はブラインドの壁で覆われているからだ。

 

じゃあどこにいけば周囲を見渡せるのかというと、それは小屋の上である。室外機のエリアに上がる階段の後ろ側をよくみると小屋のようなものが建っており、ハシゴを使えばその上に登れるのだ。いわば屋上の屋上だ。

 

そこまで上がれば、かなり広い範囲が見渡せる。大学が坂の上に建っているので、栄・名駅の高層ビル群まできちんと見える。灰色のビルと赤い点滅灯をじっくり眺めているとなんとなくリラックスしてくる。反対側を見ると東山スカイタワーも近くに見える。都心と木々の両方を堪能できるのがこの場所の魅力だ。本当は酒でも飲みたいけど、落ちたらシャレにならないくらいの高さなので、飲まないでいる。

 

今思い出したけれど、僕は昔から自分のお気に入りの場所を常に探している傾向があった。中学生の時、結構精神的に参っている時期があった(というか大半)のだけれど、その時は体育館に自分の居場所を見つけた。

 

体育館は2階にあったのだけれど、外から直接登ってこれる階段があり、そのちょっと上がったところが僕のお気に入りだった。バスケ部の休憩中はよくそこにいた。チームメイトはあまり近づかない場所だったから、それもよかった。

とてもボロい鉄製の階段で腐食が進んでいたから、壊れたらどうしよう、とよく想像した。当時は「壊れた時は死んじゃってもしょうがないよね」と何故か破滅的に考えていた。いやいや、大騒ぎになるから死ぬなよ、と今冷静に思う。

その階段も今は新しくなったらしい(震災からの再築?)。

 

多分、僕は自分が1人で逃げ込めるスペースみたいのが必要な人間なんだろう。物理的にも、精神的にも。最近気づいたことは、僕は結構繊細な人間みたいだということだ。ずっとわりに雑でタフな人間かと思ってたけどそうじゃなかった。確かに過去を振り返れば納得できる。昔からそうだった。そしてこれからも僕には逃げ場所が必要だ。

 

 

逃げるための場所の話はこれからも書きたい。

話がずれてきたので今日はおしまい。

Thank you for reading.

 

 

無題

昨日は1日休まる時がなかった気がする。
どこにいてもリラックスできなかったのだ。



寝落ちて10時半ごろに起床、午前中に配達予定の荷物を受け取るべく待機していた。12時を過ぎてもこないので、昼食にスパゲティを茹で始めた。そしたらピンポーンとチャイムが鳴り、僕は荷物を受け取った(村上春樹みたいですね)。今度使う、焚き火台だった。食べ終えると大学へ向かった。途中、銀行で1万円を下ろし、ファミマで研究室で食べる用のカレーヌードルとエナジードリンク、パンを購入した。14時前に到着。研究にとりかかる。今まで取り組んでいたプログラミングがうまくいきひと段落。それから別の課題と、頼まれてたチラシの作成、ブログ記事の修正を行った。夜7時ごろにカレーヌードルを食べ、屋上でタバコを一本だけ吸った。夜10時ごろに研究室を出て、本を買いにバイト先であるらくだ書店へ。同僚3人と話し、「BLUE GIANT ④」と植本一子さんの「かなわない」を買った。社割で1割引されて、2300円弱支払って帰った。途中ヨーグルトとコーラ、カップ麺を買った。帰ってからは色々とパソコン関係の雑務をした。



という1日だったのだけど、この間中僕の意識はガンガンに覚醒されてた。昼寝をしようとしても眠れない。しかしながら、何故か集中力は全然無かった。勉強も思ったようには進まなかった。作業も他のことに気を取られスピードが遅い。いまも眠くならないでいるが、本も長く読めない。気を緩めようとしても緩まない。


どうしてこんなことが起きてるのだろう。自分の体なのに自分では分からない。そして時々頭が痛い。「アキラ」みたいだ。インスタグラムの一言をアキラのパロディにしたのがいけなかったのかもしれない。風邪薬を飲んだのがいけなかったのかもしれない。

「頑張って休む」という一見矛盾した言葉をここで使います。

沖縄(2日目)

あらすじ

友人2人と沖縄に来て公園で遊び、トランプをした。

 

 

 

朝6時までトランプで遊び、それから眠った。

 

10時半には起きようぜ、と話していたけれど1時間寝坊して11時半にみんな起きた。昨晩に部屋で飲むビールを買うついでに朝食を買っておいたので、それを食べた。

せっかくなので沖縄っぽいものを選んだ。

 

僕は、沖縄っぽい味のおにぎり(油みそ・チキナー)と「朝すば」を食べた。

「油みそ」は味噌に豚肉や魚と砂糖を油で炒めたご飯のお供のことらしい。

同じく「チキナー」はからし菜を塩漬けにしたもの。

朝すばは「朝そば」のことで朝にサクッと食べれる沖縄そばってことでこの名前がつけられたのだと思う。

中でも油みそが特に美味しかった。こってりとしたジャンク感のあるみそ味で若者ウケはすごくいいと思う。沖縄のコンビニなら間違いなく売っているので食べてみて欲しい。

 

実は昨晩のうちに旅行計画を立てていた。今日は首里城国際通りに行くぞ。 

 

まずは首里城へ向かった。バスと電車(モノレール)を使った。

 

ここで泊まってた場所を説明しようと思う。

宜野湾市嘉数という場所だ。市街地からは結構離れているので電車では行けない。代わりに沖縄はバスが網羅されている。嘉数のバス停は1時間に4本くらいのペースでバスがあるので思いの外便利だった。

また、予約はいわゆる"民泊"を利用した。エアービーアンドビーだ。3人で泊まって1泊3000円。綺麗で、安かった。沖縄特有のコンクリ住居に泊まれるのも高ポイント。コンクリート作りの建物が好きなので地味に嬉しかった。

首里城はモノレールの駅があるので、電車が便利。ちなみに沖縄県内の電車はモノレール1本しかないのでわかりやすい。

 

 

首里」の駅で降りると、雨が降ってきた。あっという間に強くなって全身がずぶ濡れになりそうだったから急いでスーパーに避難。五百円の傘を買った。

傘をさしても雨と風が強いので近くの中華料理屋に再避難。点心がウリのようなので、それを食べた。肉まんがとてもよかった。肉汁もたっぷりあるし生地もふわふわ。ついでにオリオンビールも飲んだ。昼に飲むビールってなんでこんなに美味しいんだろう。

 

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僕のリスペクトする「d&design travel magazine」沖縄版を読んで行きたい店を決めつつ雨をやり過ごした。スコールに似た雨なのですぐに止んだ。

 

 

気をとりなおして首里城へ向かった。途中、井戸を見たり池の亀を眺めたり、顔出しパネルで遊んだりしながらゆっくりと歩く。少し酔ってたから気分がいい。

 

小6、高3、大学4年と、首里城に行くのは3回目だったのでなんとなく様子はわかっていた。いろんな門を通り抜けてメインの広場まで向かう。友人が(デジモン風に)「守礼門!進化!メタルシュレイモン!!!」と守礼門を金属にしちゃってておもしろかった。

友人はいつも面白くて一緒にいて楽しい。大学入って以来の友達。でもこれは卒業旅行なんだよなあ、と少し寂しくなった。みんなと居られるのもあと1ヶ月。

 

城の内部では外れたとこにある縁台に座ってくつろいだり、人のあまりいない道を選んで通ったりしていた。おばちゃんに「自動ドアがある(から通りたければ通れば)」と素っ気なく対応されつつ通り抜けた通路は、本当に自動ドアしかなかった。おばちゃんは間違ってなかったけれど不機嫌にならなくてもいいじゃない。

 

首里城はそんな感じ。たまたま買ったファンタのシークワーサー味がとてもよかった。

帰り道に路肩で魚の天ぷらを買って食べた。40円だった。

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その後国際通りへ向かいたかったので再びモノレールに乗った。全然関係ないけど僕は高い所を走る電車が大好きだ。特に沖縄はよかった。沖縄は民家でも屋上があるから、そこに洗濯物やら大量の植木鉢やら、はたまたバイクやらが散乱していた。すげー面白いんで平野太呂さんに撮ってもらって写真集を出してほしいな。

 

国際通り、いや正確には”平和通り商店街”はとてもエキサイティングで退廃的で、神経を触られたかのような興奮を感じた。味がありまくりでサイコー!

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個人的経験から引っ張り出すと大阪西成区のあいりん地区、その街の商店街みたいな感じ。ただ、治安はこっちの方がかなりいい、体感としては。

この地区には古道具屋さんや雑貨屋、ライブハウス、映画館などが集まっておりカルチャーの匂いを感じた。何軒かふらっと入ったので軽く紹介しとく。

 

①日の出雑貨店

この店は古道具屋だ。古いものならなんでも売っていた。オーディオ機器、家具、雑貨、コップ、紙類、等々。僕は個人的にゼンマイ仕掛けの壁掛け時計と、オリオンビールの小さいグラス、ビクターの灰皿が欲しかった。しかしなんとなく買わずに店をでた。この時残したグラス欲はあとでしっかり回収されることになる。

 

桜坂劇場

大衆映画館ではあまりやらないセンスフルな映画を上映する映画館。さらにセレクト書店と陶器のお店が併設されている。おしゃれ。書店は古本が多そうで、コミックと芸術系が多そう。ちょうどフリーペーパー「dictionary」のフェアを開催していたので、関連書籍を1冊購入した。

 

③TEN-SIX. PROJECT

激推しのお店!!グラスを2つ購入しました。80~90年代の、古着とアメリカ雑貨の販売店。オーナーさんがいいひとで、すげー話しやすい。センスがあるのでアメリカンなキャラクターが好きな人は絶対気にいると思う。ディズニー、スターウォーズSF映画ガーフィールドなど。まじ楽しいっす。

 

そんなこんなで夢中になって雑貨を漁っていると気づけば夜に。

たまたま通りがかった、めちゃ良さそうな立ち飲み屋で3人で角打ち。入って早々、おじちゃんと若めの女のペアに絡まれる。せんべろセット(three drinks and one food)を注文し、飲みながらお話をする。友人の1人が女に捕まり、ひたすら話を聞いてた。残った俺と友人はおじちゃんと話す、何言ってるか半分くらいわからない、けど、とりあえず頷く。隣を見ると友人が女にキスされてる。嫌そうにしてた。女はめちゃくちゃなブスだったから。早く帰ろうと言い出したんで、女がトイレ行ってる隙にこっそりと逃げ出した。店から離れてから3人でフーッと一息。かわいい子だったらよかったのにな、と友人を慰めた。お店が先払いなのはよかった。

 

気を撮り直して「エンダー(A&W)」へ。有名なハンバーガー屋だ。俗称がエンダー。なぜかは知らないけど。注文したモッツァレラ・バーガーはパティとチーズがマッチしていて非常に美味。昔から好きな飲み物「ルートビア」もおかわり自由で至高。

 

うまーく気分も回復したので帰る前に「久高民藝店」へ。

先述した「d&design travel magazine」に載ってたお店。ナガオカケンメイさんも来るらしい。沖縄で作られた食器や掃除道具などがずらりと並ぶ、ナイスなお店。

実は琉球ガラスのシンプルなグラスがほしいと前々から思っていたのだけれど見つけられてなかった。余計な線が入っていたり、サイズが長すぎたりしていてタイプのものはあるようでなかった。しかしこの店で超好きなグラスを発見したので思わず買ってしまった。1100円なので割とリーズナブルだ。お店の方によると、すごく腕の良い職人が作ってくださったとのこと。ハッピーな気持ちになった店を後にした。

 

それから県庁の近くでバスに乗り込み、市街地を後にした。

宿に帰るも、疲れてすぐに寝てしまい、2日目が終了した。

 

 

沖縄(1日目)

沖縄に来た。
18時くらいに着いた。
そこからバスで嘉数という場所まで向かった。借りてた民泊があるからだ。エアービーアンドビーで借りたのだ。

それからソーキそばが食べれるところを探した。
けど、大方閉まっちゃってたので、沖縄料理を出す居酒屋に行った。豆腐のチャンプルーやラフテーをたらふく食べて満足した。オリオンビール泡盛もたくさん飲んだ。すごく飲みやすくて美味しい。でも、3人で9000円も行かなかった。
安いね〜。

そのあとお酒を買って帰り、部屋で「ドボン」というトランプを用いたカードゲームをした。ルールは描きづらいので省略。
朝の6時までやってた。賭けをしていたので、僕は千円くらい負けた。明日は勝つぞ。

それから風呂に入って眠る予定。
ちゃんと起きれると良いなぁ。

以上でした!!眠いので許して。

これは公園で遊ぶ友人⤵︎

寝付けない時の眠り方

眠れない夜を経験したことのない人は恐らくいないだろう。そして多くの人がそれをすごく不快というか、厄介だと思ってるに違いない。そして、お母さんから教わったり、ネットで調べたりして眠れるようになる術を持ってるに違いない。

今回は、僕が眠れない夜にやってることを紹介したいと思う。ささやかだけど、役に立ってくれることを祈っている。

全部で4つある。
①GABAチョコを食べる
②深呼吸する
③眠らなくても大丈夫だと思い込む
④小学校の通学路を思い出す

1つずつ紹介しよう。

①GABAチョコを食べる
これは大学の友達に教わったことなんだけど、GABAチョコを食べると熟睡できるらしい。目安は4粒くらいだそう。半信半疑になりつつ、時々試してみるけど意外と眠れると思う。
ネットで調べた情報によると

GABAは正式名称をγ(ガンマ)- アミノ酪酸という、アミノ酸の一種です。英語のGamma-Amino Butyric Acidの頭文字を取り、一般にGABA(ギャバ)と略称されています。

ギャバには、気持ちを落ち着かせる「抗ストレス作用」があります。

だそう。軽く調べただけなので情報は鵜呑みにしないでほしいけれど信じれば効果はあると思う。プラシーボ効果で。やってみる価値はあるかと。

眠れないあなたへ・・就寝前のGABAチョコがおすすめ! - NAVER まとめ


②深呼吸する
これは何かの本で読んだのですが、呼吸の仕方で副交感神経が優位になりリラックスしてよく眠れることがあるらしい。で、その呼吸の仕方というのは、息をゆーっくり吐くというものだ。息を吸う時に交感神経が、吐く時に副交感神経が活発になるなることから、今回は副交感神経を優位にしたいので吐く方をゆっくり行ってほしい。
だんだんリラックスしてよく眠れるはず。
自律神経、呼吸法で調整 | 大和薬品株式会社


③眠らなくても大丈夫だと思い込む
これは気の持ちようの問題で、寝るときは寝よう寝ようとばかりしてしまい逆に目が冴えてくることがよくある。だからむしろ眠らなくてもいいや、と考えるのだ。ウェブで読んだのだけれど、目を閉じでリラックスしてるだけで睡眠時の7割程度の効果があるらしい。これも信頼できる情報かどうかは分からない。でもこう思ってると自然に眠りに落ちていたことがかなり多かった。だから是非試してみてほしい。


④小学校の通学路を思い出す
これはおまじないみたいなもので、小学生の時の通学路を家から学校まで辿っていくのだ。なるべく細かくどこに何があったかまで思い出してほしい。まあ、おまじないだけど。



というわけで寝付けない時の眠り方を紹介してみた。世界中の眠れないときのやり過ごし方を集めたら面白いだろうな〜と思いつつ、今日はさよならします。それでは、よい夜を。

贈り物としての本

 

いまは午前2時47分。

借りてる8畳のアパートにある自分の机に向かってこれを書いている。

 

久々に文章でも書こうかなと思ったのは、星野源が著したエッセイ「いのちの車窓から」を読んで自分もこういうの書きたいと思ったからではない。彼の文筆家としての才能への憧れからというよりは、この本を読むに至った文脈をきちんと保管し閲覧できる状態にしておきたかったからだ。

 

この本は人から誕生日プレゼントとしてもらったものだ。

 

贈り主はいつも和やかな笑顔が素敵な飯尾くんという友人。僕が本を読み、さらに星野源を好きだということも知っていて、贈ってくれたのだ。何冊かは読んでたけど、これは持ってなかったので、とても嬉しい。

 

そして読んでみようと思い、ページを開くとやはり面白いことばかり書いてあった。特に今回は共感性の高い話がいくつもあったのが収穫だった。特に「HOTEL」という話の中で「寝たふりをするのが好き」「透明人間になりたい」というエピソードが挟まれる。これは本当に僕も小さい頃(いまでも時々)思っていたことで、幼い頃の愛しい思い出がいくつか連想されて心地よかった。

 

 

 

そして僕がここで主張したいのは贈り物としての本の素晴らしさだ。

今回のエピソードで2つの優れた点に気が付いた。

 

1つ目は、贈り主の親密さが伝わることだ。

僕が今回贈ってもらった際に僕が「本好き」「星野源が好き」「その本を持っていない」という3つの個人的な事情をわかってくれていた。これは地味に嬉しい。

友人がいかに日常的に自分のことを気にしてくれていたかが分かるからだ。

しかも本はめちゃくちゃに商品の種類が多いアイテムでもある。例えばマフラーを買いに行くとして、1つの店にあるマフラーの種類なんてせいぜい10種類だろう。パルコ全館を合わせても200種類程度だ。一方で本は1つの店に数万種類の商品が並ぶ。その中から自分のためにただ1つを選んでくれていたとしたらなんてロマンチックだろう。友人は男だけれど。

とにかく「自分を知っててくれて」「自分のためだけに1冊を選んでくれる」と考えると本はとても贅沢な贈り物だと思えてくる。

 

 

2つ目は、本は読む人個人の内側を刺激するということだ。

特殊な本を除いて、本は人の共感を求める。でなければ読み進めることが困難だからだ。中でもそれが小説やエッセイの場合、かなり自分のパーソナルなところまで踏み込んでくると思う。今回の場合だと本文中の、寝たふりをしている時の居心地のよさの描写から僕個人の過去が引き出された。小さい頃、祖母の家に泊まった際に子供のみ早く寝かされ襖越しに大人たちの会話が聞こえてきてたことだ。その時の妙な安心感を久々に思い出すことができた。僕らはどんな話であっても少なからず共感してしまう。同意のもとでなければ文章は先へ進まないからだ。

逆に言えばおおよそどんな本を贈っても、読み手は文中の出来事と過去を絡めて解釈する。その人の個人的な、深いところに触れるものがある。2、300グラム程度の紙の束が、涙を流させることもあるのだ。

読んだ人の外側ではなく内側を彩り、いい体験をさせてくれるのが贈り物としての本の良さなのだと思う。

 

 

僕が言いたいことはこうだ。

恐れることなく人に本を贈ってみよう。

 

僕は今まで何回か本をもらった経験があった。親とか友人、恋人にもらったのだ。

しかしそのどれもが僕にとっていい経験を作ってくれたし、嫌な思いをしたことはない。だから、仲の良さがあればセンスのいい贈り物として快く受け取ってくれると思うのだ。

最後に一つだけ。あげた本について読むことを強要しないでほしい。自主的に読むというゆとりがあってこそのプレゼントだからだ。読んでくれることをそっと祈って、あとは本人に任せるのがいいと思う。

 

 

それでは、身近な人の誕生日を思い浮かべたら、本屋へ行ってみよう。