2024.4.11

最近どうにも、仕事へのモチベーションが低い。やる気が出ない、前のめりになれない、締め切りが近づくと慌てて手をつける、そういう後ろ向きな姿勢で仕事と向き合っている。そもそも毎日身体がだるい。動きたくならない。何かをしようという気持ちに乏しい。エネルギーが湧いてこない。どこにも行きたくない。何もしたくない。家にいたい。布団にくるまっていたい。ただすべてを忘れて眠っていたい。

身体は重く動きがたいが、気持ちの方はそうでもない。むしろ気力が湧いてこないことに焦り、どうにかしなくてはいけないと思っている。身体が動きたくないと言っているのを無理して動かすことはできない。できるとしたら、その動きたくなさに対応し、少しでも身体が動きたくなるような仕組みを作ることくらいだ。では、どうしたらいいのか? 身体が動きたくなるとはどういうことなのか。

身体が動きたくないときに私は何をしているのかというと、ただダラダラしている。横になってスマホでYouTubeを観たり、昼寝をしたり、何度もInstagramとTwitterを行き来したりしている。こうしていればいずれ飽きてきて他のことーー例えば仕事とかーーをできるかもしれないという風に思っている。実際にその通りになる。いずれ身体は仕事に向かうようになる。一つ問題があるとすれば、そこにいたるまでに時間がかかりすぎる。私はもっと仕事がしたい、仕事をすべきだと頭は考えている。
ダラダラしているとき、私は「やらない」という時間を延々と引き延ばしている。なぜやらないのか、それは仕事は楽しくも面倒であるからだと思う。仕事にはクオリティが必要とされる。クオリティには責任が伴う。いい加減な仕事を提出することは許されないのだ。責任はなるべく負いたくないものだ。それで、そこからの逃げとしてのダラダラが生じる。実際、仕事自体は始まってしまえば楽しいものだ。私は黙々と作業をするのが好きだ。

となると、私がすべきことは仕事に向かうハードルを下げることだ。ハードルは低いところから始め、徐々に上げていけばいい。そうすれば高さに慣れることができ、スムーズに身体は動くだろう。
仕事のためにしなければならない最初のことは何だろう。それはおそらく、椅子に座ることだ。椅子に座り、デスクトップに向かいあうこと。それが仕事の一歩目だ。その意識はなかなかこれまで持てていなかったが、ダラダラしながら漫画を読んでいる時にデスクの椅子に座ったらとても座りやすかった。いい椅子なのだ。そして椅子に座ってみると、なんとなくパソコンをつけようという気持ちになってきた。パソコンをつけたら、今度はちょっとデスクトップの整理をしてみようかなと思えてくる。そのうちにメールが来て、それに返事をしたり、ソフトを立ち上げてちょっとした作業ができるようになってくる。
要はハードルを徹底的に下げることが肝心だったのだ。そして、一つ目のハードルを飛んでしまえば、二つ目は身体が勝手に飛ぼうとし始める。三つ目もそうだ。半自動的に身体は今していることの延長上にあることをしようとする。他の状態に移行しようとはせず、今の状態を保ち続けようとするものだ。この性質はうまく活かしたい。

それ以外にも布団から出ようとする時にラジオで人の声を聞くとスムーズだというライフハックも最近見つけた。これについても考えたいが、また別の機会にする。ひとまず今日は仕事へのモチベーションを出すための工夫の仕方について考えた。まだまだ身体はだるいので、引き続き考えていきたい。

2024.4.4

火曜日まで緊張する時間が続いていて、それが一段落してから昨日今日と仮眠気味。今日は15時に起きた。とりあえずシャワーを浴びる。遅く起きることで自分を責めるのはここ数ヶ月はやめることにした。昨晩は2時くらいに寝たから、13時間くらい眠った。これだけ長く眠ることには何かしら理由があるのだと思っている。だから、責めない。今回の場合、緊張していた時間に対しての反動が来ているのだと思った。できることなら、波風の立たない生活を送りたいけれど。

 

こういう、遅くスタートする日はいったん外に出るといい感じがしている。売りたいと思っていた本を持って近所の古本屋に向かった。「10分くらいで値段が出ます」と言われ、店内で待つことにした。もう「ユリイカ」の柴田聡子特集が古本で出ていて、だったら少し待ってここで買えばよかった。値段は3300円。2000円くらいと予想していたから、自分の見当よりも高くて嬉しい。

今野書店に行ったらもう千葉雅也『センスの哲学』が並んでいて、古本を売ったお金で買った。明日発売のはずだったので少しうれしい。レジを打ってくれた店員さんが「千葉雅也の新刊出てるんですね!」と声をかけてくれた。

 

仕事の考え事をしたかったのと、お腹が空いていたのでサイゼリヤへ。小エビのサラダを一人で食べるのが好き。考え事をしながらご飯を食べ、メモし、結局はもうちょっとインプットが必要だという結論にいたった。現時点でベストなアイデアは出てきたが、他にも何か手があるんじゃないかという気がする。知識や経験に乏しいことを残念に思う。それでもやっていくしかないし、ひとりでやっていく醍醐味はここにあるような気がしている。会社にいれば、より経験のある人に頼ったり集合知で戦うこともできるが、ひとりでやっていくときにはある種「偏って」蓄積されたものを参照していくしかない。この「偏り」が結局は人間性であり、個性と呼ばれるものなのだと思う。私は私なりの偏り方を極めていき、それが社会に接続されていればいいのではないかと思う。

 

大体いま考えられることを書き出し、あとは少し本を読む。大崎清夏さんの『私運転日記』を読み終える。すごくよかった。素直で身体的な言葉遣いに心が惹かれた。大崎さんの文章は「何が起こった」とかじゃなく、文章自体がなめらかな水のようですいすいと読めて気持ちがいい。上質な文章を読んでいるという快適な気分がある。うれしい。

『センスの哲学』もそのまま少し読んでみる。東畑さんが言うようにすごい改行されていて驚く。読みやすい。読みやすすぎて気を抜くと目がすべっていってしまうので、読むのは今日ではないと判断した。

何かアウトプットをすべき体調だ、と思ったので久々に日記を書いてみている。日記を書く時には必ず書かざるを得ない体になっているときで、いまは何か決め難いことを抱えている体だ。どうしたらいいんだろう。そういう迷いがある。なにか重たいものを抱えて歩いている。その重さがそのまま体調に表れている。すっきりとした気分になりたい。気持ちのいい春を迎えたい。

2024.1.11

久々に日記。日記は書けるときと書けないときがある。今日はギリギリ書きたいと思った日。なのでノートパソコンを開いて書いてみている。

 

昨日でそれなりに大きめの仕事を入稿したので一段落。結構ストレスのかかる仕事だった。男性アイドル系のデザイン仕事で、使う写真への指示が細かい。細かいことはいいのだけれど、それを何度も何度も後出しにしてくるので、そのたびに何度も何度も直さなくちゃいけない。修正のたびに溜まるストレス。

お金は悪くなかったので、それでなんとか耐えられたような気がした。とはいえ、得に良いというほどでもなく、それに、デザインしたことを人に言ってはいけないらしい。うーん、アイドルの仕事ってそんな感じなのか。比較的誰でも良い仕事をやるっていうのは大変ですよね。理想としては、自分が腕を上げてすごく有名なデザイナーになるしかないのだろう。名前を出すことが箔になるような。

まあ、ひとまず終わったっぽいのでいいか。

 

最近の悩みといえば、眠りが浅くて早朝に覚醒してしまうことと、謎の顎の痛みに苦しんでいることだ。今日も早朝に一度起きてしまったが、仕事が終わったんだしと思って二度寝をすることにした。二度寝は気持ちがいい。そしたら、次に目が覚めたのが14時でなかなかびっくりした。起きたらベランダの猫がこっちを見ていて、目が合う。最高の寝起き。充実感があったからいいか、と遅く起きてしまった自分を納得させた。

今日は久しぶりに時間的な余裕があったので、かれこれ2ヶ月くらい続いている顎の痛みを相談するために重い腰を上げて歯医者に行った。受付の方の愛想が悪くてそれが結構良かった。ほかのスタッフと喋りながら受付をしていて、アメリカのスーパーみたいでかっこいい。中はガラ空きだったので人気はないのかもしれない。待合室には「JAZZ」の文字の形をしたネオンサインを写真に収めたパネルが貼ってあって、どういう理由でこれをこの場所に貼ったんだ... と思った。

医者は愛想がよかった。口の中をいろいろ見てもらったが、虫歯も顎の異常もなく、ただの筋肉の炎症でしょうと言われた。出せる薬もなく、ただ右の顎を使いすぎないようにして、寝るときの姿勢にも気をつけて、とのこと。790円と診察料も安い。

 

歯医者が終わったらカレーを食べようと思っていた。お店を探すと夕方に近いこの時間でもやっているお店がいくつかヒットした。cafe オーケストラはお休み。次点でフェンネルというお店に入った。ポークビンダルーを注文すると、これが辛くて酸っぱい! 結構クセになる味でおいしかった。辛+すっぱって意外と合うんですよね。酸辣麺とか。

 

それから、ドトールでこれを書いている。自分はドトールで集中できる日とできない日があって、今日はできた。でも肝心のZINEのための文章は進んでいない。帰ったら少し別の仕事をする。あ、その前にハンドソープとバゲットを買って帰らないと。

夜はシチューを作ってあったので、それを食べようと思っている。

 

2023.12.12

3日ほど使って、熊本まで友人の企画した展示を観に行ってきた。旅行みたいな特別なイベントがあると、仕事の調整のために直前に無理をしたりイベント自体にかなり気力や体力をつかったりしてしまう。結果として何が起こるかというと、えらく疲弊して、帰ってきてから結構精神的に落ち込むことがある。そうなると大変で、外に出たり、人と連絡を取ったりすることが億劫になってしまう。今回は、人に迷惑をかけたくないというギリギリの価値観が私のがんばりを応援してくれた。どうにか昨日は最低限の仕事ができ、それ以外は眠っていた。

 

今日は一本入稿があるし、明日も入稿がある。その他にも修正しなくてはいけない組版の仕事がある。とにかくてんこ盛りだ。なぜか旅行やイベントのある週末に限ってお仕事が集中する。文学フリマのあたりも、大変すぎてほとんど記憶がない。

 

起きてからずっと仕事をしていた。今日は20時くらいからライブを観る約束をしてしまっていたので、それまでにすべてをどうにかしなくてはいけない。幸い、修正しなくてはいけない箇所はそこまで多くない。一つずつ直し、他の仕事を挟んでから、きちんと直っているかのチェックをして編集者に送る。洗濯物を干す時間はとれないかもしれないが、それでもなんとかなりそうだ。

 

昼に一つ終わらせてからセブンイレブンに行ったら、エリックサウスのビリヤニが復活していた。うれしくて買ってみる。今回もかなり美味しかった。前回のカレーフェスとは少し風味が変わっている感じがした。

しかし、その後でイスラエルに出店しているセブンイレブンが「イスラエル兵を応援するキャンペーン」を行っているらしく、証明書を提示すると50%オフになるという。あまりのグロテスクさに、もうセブンではしばらく物を買うのはやめようと思った。資本主義と戦争と人の命。それぞれ結びついてはいけないものがあまりに直接的にくっついていて、さすがに無理だ...と思った。

 

仕事はなんとか18時に送り終え、少し発送するZINEの準備をしてから、家を出る。早稲田の古着屋でのライブ。角銅真実さんの身体性にびっくりした。この人は本当に素直で気持ちがいい人なんだろうと思った。

帰りに友だちと高田馬場でラーメンを食べて解散。

 

帰ってきてから、発送するものをポストに出しに行き、いろいろしていたらお風呂に入るのが面倒になって眠ってしまった。暖房が暑くて途中何度か目が覚めた。

 

 

 

※時には私のZINEでも宣伝しようと思います。エッセイ6本に、この日記から抜粋した4本を加えた文庫サイズの本です。94頁。ぜひお買い求めを。

rice-village.stores.jp

 

 

2023.12.7

昼くらいにピンポンが鳴った。下に降りると、おじさんがいて、水道局員だという。「水道代が払われてなくて、今日栓を閉めに来たんですよ」という。あれ、そんなに滞納してましたか? と聞くと払い忘れが3回分あったらしい。「いま払えますか?」と聞かれたので現金がないんですよ、と答えると「じゃあ後で払っておいてください。今日はこのままで帰りますから」と言って帰って行った。

それで、支払いにコンビニに行こうと思って、でもその前にお金を下ろさなくちゃいけなかった。だったら、家を出る前に大家さんに家賃を払いたい。だったら、水道代を家賃から支払えばいいじゃないか、と一瞬思ったが、これは家賃のためにとっておいたお金なのである。だから水道代にしてしまってはいけない。家賃を持って大家さんの家に行くと、ちょうどヤマトの配達員が来ていた。大家さんは荷物を受け取ってから「親戚からのお歳暮!」と言った。私はもうそんな季節ですね、と返事をした。家賃は手渡しで払い、その場で領収帳に記入してもらう。ちょうど今月で一冊使い終わった。丸二年が経ったということだ。次の更新はしないと決めているから、次の領収帳が埋まることはないんだろう。「新しいのポストに入れておくからね!」と大家さんが言った。

2023.12.3

朝9時頃にピンポンの音で起こされた。荷物を受け取り、またベッドに戻ってうとうとしていると気づけば昼になっていた。起きてから昨日した仕事のチェックをして編集者に送った。それから、注文をくれていた書店に本を送る。レターパックプラス、520円。友人たちと遊ぶべく下北沢に向かった。

 

群馬に住む友だちが遅めの夏休みということで上京してきていて、そこに別の友人2人も加わってみんなでジャズ喫茶に向かった。「はやし」というお店。朝から何も食べてなかったので、ハヤシライスを食べ、コーヒーを飲んだ。深煎りでとてもしっかりとおいしい。それから古着屋のヒッコリーを見たり、気流舎に顔を出したり、ドンキに寄ったり。大学生の遊び方みたいで楽しかった。夜は中華。私の書いたZINEの感想の代わりにと、あるCDをプレゼントしてもらった。「僕は言葉で感想を言うのが苦手だから」と言う。粋なプレゼント。うれしい気持ち、たくさん聞きたい。今度は私が彼に本でもプレゼントしようと思った。

2023.12.2

仕事を少ししてから、全国のいくつもの書店さんにZINEを置いてもらえないか、打診のメールをした。本文には仕様と概要、希望の仕入条件を書き、添付する形で本文PDFと書影を送った。すぐに近くの本屋さんから返事が来て、そのまま納品に行くことにした。手持ちで本を届けられることはとてもうれしいことだ。店主さんとも話せるし、時々だけどその場で精算してもらえることがあって、懐があったまる感じがする。やはり現金はいい。納品するたびに本を買ってしまうので、お金はそんなに儲かっている感じはしないのだけど、でもやっぱり本屋は大好きな場所で、そこにお金を落とせるならいくら買っても気分がいい。お金は落としたいところに落とすべき。ついついコンビニとかチェーン店で食事をしてしまうのだけど、でも大きな資本にお金を落としたくはないよなという感じがする。応援するなら小さいところである。

 

本を届け、しばし歓談。西荻にたこ焼き屋さんができたんです、しかも2軒もあるんですよ、と突然教えてもらう。なんでたこ焼きの話をするんだろう、と思っていたら、私のZINEのプロフィールに「たこ焼きとモンブランが好き」と書いていたことを気にしてくれていた模様。それに気づいてから思わず笑ってしまった。いい人だ。本を一冊買い、お礼を言ってお店を後にした。

 

電車に乗って吉祥寺を目指す。19時から友だちのAさんと回転寿司を食べる約束をしていた。ちょっと早く着いたので、駅のホームで雑誌「VACANCE」の3号にある曽我部恵一さんのインタビューを再読する。曽我部さんが最近リリースしたラップのアルバムがあって、それがすごくよかった。3曲目に「幽霊」という曲があって、それがVACANCEのテーマ「おばけ・リミックス」とリンクしていることに気が付き、改めて読むことにしたのだった。割ととりとめのないインタビューだったけれど、芯を突いた発言が各所に光る。特に、映画館にいたおじいさんの話が引っかかっている。「誰からも存在を認知されず、人に迷惑がかからないように生きようとしている」人について。曲のフックでは繰り返しこう語られる。「蝿がブンと飛んでそんで オレは生きていても死んで いつか化けて出てやるって 世間様にそう伝えといて」

 

Aさんと合流し、回転寿司を食べる。Aさんは「魚べえ」がいたく好きらしく、私は行ったことがなかったので今回が初めて。魚べえは回転寿司なのだが、全て注文制。だから真ん中にレーンが存在しない。熱湯が出る蛇口も席になくて新鮮だった。サーモンから始めて、アジ、軍艦、ほたて、えんがわ、と次々に食べていく。あおさ汁は時々しか飲まないから、いつも新鮮に感じる。最後にデザートを食べたが、それでも10皿くらいしか食べれなかった。気づいたら3時間も回転寿司でしゃべっていてびっくりした。

店を出てからしばらく歩いたり、立ったまんま喋ったりした。途中、マンホールから湯気が出ていて、近づいて確かめたら少しあたたかくて笑ってしまった。とにかく寒いし、夜も更けてきたので23時前に解散した。Aさんは明日縁切で有名な神社に行くという。がんばってくださいね、と伝えた。